陶芸の展覧会って行ったことがありますか?
私はあまりなくて、行っても伝統工芸的ないわゆるThe陶芸みたい展覧会です。
色が綺麗、形が面白い、使ってみたい、土感が好きという感じで観ていました。
「ピクチュアレスク陶芸」を観て、なんだ陶芸ってこんな見方もできるのか!と
覚醒させられたような面白い陶芸の展覧会に行って来ました。
あまり陶芸の展覧会に行ったことがない方におすすめしたい
パナソニック汐留美術館の「ピクチュアレスク陶芸」ついて今日はお話します。
どうぞ最後までご覧ください。
パナソニック陶芸汐留美術館レビュー企画展「ピクチュアレスク陶芸」感想、見どころは?
ピクチャレスク」とは、「絵画的な」「絵画のように美しい」といった意味の美術用語だそうです。
そういえば絵画は絵画の見方、陶芸は陶芸の見方、表現方法に合わせた見方をしますね。
私は「陶芸」と言われると茶碗や花瓶のような使うものを1番にイメージします。
これでお茶を飲んだら、この器には何を盛ろう魚?肉?とかこの花器にはこの花が合うかな?とか
生活に近いところで観ていることが多いです。
あとは色が綺麗、くらいでしょうか。
正直、陶芸作品や展覧会などもそれほど観ていない気もします。
改めて、展覧会タイトルになっている「ピクチュアレスク陶芸」
陶芸作品の1つの見方を教えてもらえる展覧会だと思いました。
カタチ、マチエール、色、見せ方も含めての作品、インスタレーション的な作品
様々な陶芸の表現が見られる面白い展覧会でした。
あまり陶芸作品を観ない方にオススメしたい展覧会です。
まず映像が面白かったです。
どんな表現方法でも、まず制作風景を観るのは好きです。
入口付近に2つモニターがあり
1つはバーナード・リーチの作陶、窯出し
1つは濱田庄司の絵付けの映像でした。
どちらも10分とかからないものなので見やすいと思います。
私が特に面白いと思ったのが濱田庄司の絵付けの様子を写した映像。
憲吉が皿に迷いなくサラサラと次々と絵付けしていく様子を外国人のナレーターが
「アクションペインティングだ!」と表現していました。
微妙に違う気もしますが、文化が違う人から見るとそう見えてもおかしくないかも、
そう思えばアクションペインティングなんて面白い、うまい表現をするな、と思いました。
作品で私が1番面白いと思ったのは終盤の方
「焼成と形象」の章《鯉江良二/土に還る》です
デスマスクというんでしょうか、顔を模った石膏型にシェルベン(衛生陶器を粉砕した粒状の材料)を押し固めた作品。だんだんと顔のかたちが崩れ落ちてなくなっていく。
最後は最初の何もない状態に戻るという少し不気味ですが、でも怖さはなく
時間の流れと自然の摂理を観ているような作品でした。
「うつわの表象」の章の《グイン・ハンセン・ピゴット/白い信楽の道》
シンプルな白い陶器を並べた作品。
33個(1回目32個、2回目3回目は33個でした)の花瓶や器を並べて1つの場を作っています。
ここを絵に描いてと言わんばかりの静物画のモチーフのような作品。
1つ1つの器を観るのではなく、1つの塊、空間、場ととして
観てしまうのが面白いと私は思いました。同じように
《エドモンド・ドゥ・ヴァール/あるがままの》
白いフレームのなかに2つの白い磁器を置いた作品も器自体を見せるのではなく
フレームをひっくるめて1つに作品にしていて、まるで絵を観ているようにその作品を観ていました。
「往還する平面と立体」の《上出恵悟/静物》
口が塞がれた白磁の湯呑みや器。
湯呑みなのに注げない、器なのに盛れない器でない、なんともジョークのきいた作品
プッと笑いつつも、湯呑みって何だっけ?うーんと考えてしまいました。
「ピクチュアレスク陶芸」なるほどなるほど!面白いと思いつつも
単純に《アクセル・サルト》のゴツゴツした果物のような花器は面白いと思いましたし
《ルーシー・リー》の陶器は繊細で色が柔らかくて可愛いので好きです。
最初の「陶に描くこと」の章に展示されていた
《北大路魯山人》の大きな鉢や陶板もやっぱり何を盛り付けたらいいかな?とか
《三代目徳田八十吉》のそれはそれは鮮やかで美しい色にはうっとりしたり
今までの陶芸の見方をして楽しみました。
振り返るといろいろな見方を自然にさせてもらえたうまく誘導されたような
そんな展覧会だったように私は思いました。
私はなかなかに特に中盤から後半が面白い展覧会だったと思いましたが
いわゆるTHE 陶芸をやっている、伝統工芸的は陶芸が好き、という方は
もしかすると後半は特に興味がなくなってしまうかもしれません。
いつも絵画や現代アートは観るけど陶芸の展覧会に行ったことがない、という方におすすめしたいと思います。
陶芸は、絵画や彫刻など隣接分野と呼応しながら今日まで表現を展開してきました。本展では、色彩や質感、絵画的表現との関わりなどの観点から陶芸の本質を再考します。「民藝」から、伝統工芸、前衛陶芸、コンテンポラリーまで、日本の近現代陶芸史に残る名品や知られざる名作を横断しながら、同時代の海外作家による作品、陶芸と共鳴する油彩やドローイングも併せて展示し、新たな視点から陶芸の魅力をお楽しみいただきます。
タイトルにある「ピクチャレスク」とは、「絵画的な」「絵画のように美しい」といった意味を表す美術用語です。18世紀イギリスでは庭園や景観の美を示す言葉として用いられ、建築や造形の分野において、新時代の美意識を導いた概念ともされています。そうした言葉の拡がりに重ね合わせ、本展覧会では、絵付けされた陶器にとどまらず、平面と立体がダイナミックに融合した形態や、メディアを越境して表現を更新していくような造形のあり方にも注目します。
個人作家による創作陶芸の礎を築いたとされる富本憲吉やバーナード・リーチ、民藝運動を推進したことでも知られる河井寬次郎や濱田庄司に始まり、伝統的な技術を革新した陶芸家、前衛陶芸の旗手、茶陶の名手、イギリスやデンマークの作家、1960年代から80年代生まれのアーティストまで、約50名の作家が並びます。総計約120作品による新たな共演をお楽しみください。
パナソニック陶芸汐留美術館レビュー企画展「ピクチュアレスク陶芸」所要時間や混雑状況は?
私は作品をくまなくじっくり鑑賞するタイプだと思います。
気になった作品は更に時間をかけて鑑賞します。
「ピクチュアレスク陶芸」の鑑賞時間は75分でした。
他の方はもう少し短い時間のようで私が最後まで観たときには
会場にいた人は全員入れ替わっていました。
おそらく1時間かからずに鑑賞し終えていたと思います。
会場内はずっと静かでゆっくりと見ることができました。
私が行ったのは平日の午後、15辞頃です。
会場の中は10人ほどでした。
土日祝は混雑緩和のため日時予約が必要ですが
平日のこの静けさからして土日祝もそれほど混雑することなく鑑賞できると思います。
パナソニック陶芸汐留美術館レビュー企画展「ピクチュアレスク陶芸」チケット 入場料、予約は?
チケットは当日窓口での購入となります。これは何も問題ないと思います。
気を付けてほしいことは
土曜日・日曜日・祝日は日時指定予約が必要 ということです。
平日は予約の:必要はありません。土日祝だけ日時指定予約をしないといけません。
日時指定予約はパナソニック汐留美術館の公式HPからできます。
気をつけてほしいのは日時指定予約はあくまで来館する日時を予約するためのもので
ぐるっとパスや割引券を持っている方などすべての方が土日祝は日時指定の予約が必要です。
日時指定予約をするとメールが送られてきます。
そのメールを当日受付で見せて、入場のチケットを購入します。
もう1度お伝えします。
土日祝の来館は日時指定予約が必要です。
日時指定予約するとメールが送られてきます。
来館日当日、受付窓口でメールを見せて入場チケットを購入します。
入場するチケットは受付窓口でのみ購入できます。
HPではできませんのでご注意ください
チケットを買う上でお得な情報があります、
パナソニック汐留美術館の公式HPにウェブサイト割引というものがあります。
引換券になっていて印刷して持って行くか、 携帯電話で画面を受付で提示すると
当日入館料金から100円割引になります。
ぜひパナソニック汐留美術館の公式HPをチェックして利用してください。
そしてもっとお得だと思うのは「ぐるっとパス」です。
私は「ぐるっとパス」を使いました。
パナソニック汐留美術館は入場無料の施設です。
「ぐるっとパス」のQRコードを見せるだけで 入場ができます。
おすすめです。ぜひ「ぐるっとパス」を使って行ってみてください。
※土日祝は「ぐるっとパス」で入場する方も日時指定予約が必要となります。
ご注意ください
「ピクチャレスク陶芸 」入館料
● 一般 1,200円
● 65歳以上 1,100円
● 大学生・高校生 700円
● 中学生以下 無入館料は来館時に受付にてお支払いください。
期限付無料観覧券をお持ちの方はお支払いは不要
ご予約確認メールをご提示いただけましたらご入場いただけます
※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。【土日祝の日時指定予約について】
全てのお客様が対象です。※障がい者手帳をお持ちの方、および付添者を除く。
(ぐるっとパス、賛助会会員、期限付無料観覧券・割引券をお持ちの方、中学生以下のお子様も、当サイトからの入館予約をお願いします。)・ご予約の前に、メール受信設定を必ずご確認ください。
・ご来館当日は、ご予約確認メールを受付の係員にご提示ください。
・電話等での予約はお受けできません。
・滞在時間の制限はありません。
・予約は、1回のお申し込みにつき4名様までとなります。
・お申込完了後の日時変更はできません。キャンセル後、再度お申し込みください。
・複数日および複数時間枠の予約はご遠慮ください
・受付開始日時毎週月曜日午前10時に、翌週土曜・日曜・祝日の予約受付を開始します。
パナソニック陶芸汐留美術館レビュー企画展「ピクチュアレスク陶芸」アクセス 最寄り駅は?行き方は?場所、住所
私は「大江戸線/汐留駅」から行きました。
駅直結と言って良いくらいの近さでした。
改札からは3、4番出口までが少し歩きますが、駅通路のようなところを歩くので
日傘をさすことなく、雨に濡れることなく「パナソニック汐留美術館」が入っている
「パナソニック東京汐留ビル」の近くまで行くことができました。
出口の階段を上がるとすぐ右手の建物が「パナソニック東京汐留ビル」です。
このビルの4階に「パナソニック汐留美術館」があります。
敷地に入って左手に少し回ると「回転する扉」がありそこから入ります。
会社の雰囲気が漂っているので、躊躇してしまいますが大丈夫
エスカレーターで4階まで上がりましょう。
4階についたら正面が「パナソニック汐留美術館」です。
奥に進んでいくと入口に警備員さんが立っていて扉を開けてくてます。
警備員さんは新設でとてもの感じの良い方ばかりでした。
4階についたら奥の警備員さんを目印に臆することなく奥まで進んでいくとよいと思います。
【 最寄り駅 】
新橋駅 汐留駅【 交通案内 】
● JR新橋駅「汐留口」「銀座口」「汐留地下改札」 徒歩約8分
● 東京メトロ銀座線新橋駅「2番出口」 徒歩約6分
● 都営浅草線新橋駅「JR新橋駅・汐留方面改札」 徒歩約6分
● ゆりかもめ新橋駅 徒歩約6分
● 都営大江戸線汐留駅「3・4番出口」 徒歩約5分【 駐車場 】
当館には専用駐車場はございません。
車でのご来館を希望される場合は、隣接する汐留シティセンター内の有料駐車場をご利用ください。パナソニック東京汐留ビルと直結しています。【タイムズ汐留シティセンター】
料金:[通常料金]30分/300円
営業時間:7:00~24:00【 パナソニック東京汐留ビルのご案内 】
パナソニック汐留美術館は、ビルの4階にあります。地下からお越しの方は駐車場入口(※)から、地上からお越しの方は1階回転扉入口からお入りください。
パナソニック汐留美術館
東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
050-5541-8600(ハローダイヤル)
パナソニック陶芸汐留美術館レビュー企画展「ピクチュアレスク陶芸」まとめ、会場注意点と展覧会概要
会場はパナソニックのビルの中にあります。
他の階は仕事場だと思います。働く方がたくさん行き交っています。
初めて訪れると「本当に入っていいのかな?」と思ってしまうかもしれません。
私は1番最初に訪れたとき思いました。
でも立っていた警備員さんが親切に案内してくれたので、大丈夫です。
わからなかったら聞いてみましょう。
他の注意点ですが
●展覧会場の中にお手洗いはありません。
4階エスカレーターを降りて真っ直ぐ進むと美術館ですが
振り返ると右手奥にお手洗いがあります。
先に寄ってからいくとよいでしょう。
●ロッカーは受付の入口を入る前にあります。
受付の入口に入る前に、警備員さんがロッカーを案内をしてくれるので
大きな荷物などはロッカーに預けて行きましょう
ロッカーは無料でコインを入れなくても大丈夫です。
●写真撮影はできません。
入口のタイトルのところのみ写真撮影ができましたが
展覧会場は一切撮影ができませんでした。
私は陶芸の展覧会野の中ではとても面白い展覧会だと思いました。
新しい陶芸作品の鑑賞を探り体感することができましたし
新しい面白い作品にも出会いました。
いままであまり陶芸作品の展覧会に行ったことがない方におすすめしたい展覧会です
ピクチャレスク陶芸 アートを楽しむやきもの ―「民藝」から現代まで
■展覧会会期 2025年7月12日(土)〜 9月15日(月・祝)
■開館時間 午前10時~午後6時(ご入館は午後5時30分まで)
※8月1日(金)、29日(金)、9月12日(金)、13日(土)は夜間開館 午後8時まで開館(ご入館は午後7時30分まで)
■休館日 水曜日(ただし9月10日は開館)、8月12日(火)~15日(金)
■入館料 一般:1,200円、65歳以上:1,100円、大学生・高校生:700円、中学生以下:無料
※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。
パナソニック陶芸汐留美術館
〒105-8301
東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
ハローダイヤル 050-5541-8600
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