《MEISSN/マイセン》 白磁器好きなら知らない人はいないでしょう
興味があまりない私も、名前くらいは知っていました。
このマイセンの作品に日本の『柿右衛門様式』が大きく関わっていた事をご存知ですか?
歴史を知ると面白い!この展覧会を観て興味がない方もきっと興味を持つでしょう。
知らなかったマイセンが観れる興味深い展覧会
泉屋博古館東京『巨匠ハインツ・ヴェルナーの描いた物語/現代マイセンの時期芸術』
について今日はお話します。どうぞ最後までご覧ください。
泉屋博古館東京/マイセン展『巨匠ハインツ・ヴェルナーの描いた物語』レビュー 見どころ、感想
正直、私はあまり好みではない器で
知ってはいましたが、
使いたいとか、観たいとか思ったことがありませんでした
きっかけは「ぐるっとパス」が使えるから。
「泉屋博古館東京」から徒歩圏内の美術館で見たい展覧会があり
実はそちらがメインでした。
通り道だし、せっかくやってるし
マイセンってどんなもんか観て観よう思って行きました。
結論は、、、
めちゃ面白かったです。
今まで知ろうともしないでごめんなさい
マイセンの歴史、日本の有田焼からの影響、
『磁器芸術』と言われる高い技術と豊かな創造
とても興味が湧いてきて、
ドイツのマイセンの博物館に行ってみたいと思いました。
使えるものなら使ってみたいとも思いました。
まずは少しマイセンの歴史と展覧会の構成から。
マイセンは
18世紀、ドイツの古都・マイセンで創業した、王立の磁器製作所
ヨーロッパ初の硬質磁器焼成で多くの名品を送り出し
ヨーロッパを代表する名窯になる。
1960年、創立250年に
5人のアーティスト『芸術の発展を目指すグループ』が加わり転換期を迎える
高度な磁器作りの技術と、デザイン性から
現代マイセンは『磁器芸術』として認知されるようになる。
展覧会は
マイセン磁器製作所『芸術の発展を目指すグループ』のひとり
『ハインツ・ヴェルナー』に焦点をあてて
彼が創造した作品を中心に展示されていて
現代マイセンの『磁器芸術』を魅力が伝わってくる展覧会です。
『アラビアンナイト』『サマーナイト』『ブルーオーキット』などの
サービスウェアーや陶板、スケッチなどの作品が
4つの展示室に4章で構成されていました。
◉展示室1/プロローグ
マイセンの事をせんぜん知らなくてすみませんと思いました。
日本の有田焼の『柿右衛門様式』が
マイセンの色絵に大きな影響を与えていたということにびっくりでした。
この章ではでは柿右衛門様式の絵皿と
それを真似て描かれたマイセンの絵皿を観ることができます。
比べて観ると、、、そっくり
「柿右衛門様式」は 、
ミルキーな白磁に赤、黄、緑、青、金の上絵具による絵付けが施されています
中でも赤が強い印象です。
「マイセン」は
同じ色が使われていても青、緑が多く、そこに差し色として赤がきりりと入っている
比べてみると本当にリスペクトしていたことがわかります。
そしてマイセンは「柿右衛門様式」を会得して
ちゃんとマイセンにすることができた、
技術と創造力が凄いと私は思いました。
◉展示室1/第1章:磁器芸術の芽吹き
ヴェルナーのデビュー作を含めた初期の作品が展覧されていました。
私が思っていた、お上品なマイセンとは全然違って
《エンゼルフィッシュ》
花瓶は線で描かれた2匹のエンゼルフィッシュ
1色の線で描かれていて、とてもシンプルでスタイリッシュ
かっこいい!と思いました。
《スウィトピーの文様》
コーヒーサービスはスゥイートピーが描かれています。
色とりどり、散りばめられためスゥイートピーの花が可憐です。
なんて可愛らしいんだろうと思いました。
ここまで観たでけでも
あれ?なんか思っていた『マイセン』と違うじゃないか?
なんかエレガントで、気品高く、気取っていて、、、(すみません)
イメージしていた『マイセン』がどこにもありませんでした。
展示室2・3/第2章「名シリーズの時代」
私はこの章の作品に心奪われました。
物語=メルヘンからインスピレーションを受けた作品の数々が展示されていました。
1番最初に
黄色いティー、コーヒーセットの作品が目に飛び込んできます。
圧巻で、心が惹きつけます。
ドイツで古くから親しまれてきた文学作品をモチーフとした
《ミュンヒハウゼン》
とにかく鮮やかな黄色ベースに
青緑で描かれた繊細な線の絵柄が映えます。
とても綺麗で可愛い。
カップ、ソーサーポット、ミルクピッチャー、シュガー
1つ1つ違う絵柄で、絵柄が「物語=メルヘン」の場面が描かれています
絵柄の線が繊細で、絵が本当に生き生きしていて
可愛くて、まるで絵本を見ているようでした。
ほかに代表作と言われる
《サマーナイト》
《アラビアンナイト》
《森の狩り》
どれも絵本を見ているようです
もっと描かれている場面場面の背景が知りたくなります。
物語を読んでみたくなりました。
カップやポット、お皿の形は同じなのにそれを感じさせない
おそるべし、マイセン、、、です。
♦これはすごい!と私が1番思ったのが《ブルーオーキッド》
ムラのある青い地に点描で描かれた動物。
まるで夜空にまたたく星座のようでした。
ムラに塗られた青地も濃淡があってより夜空っぽい
カッコいいマイセン
このお皿使ってみたい!と思いました。
展示室3/第3章光と色彩の時代」
ヴェルナーの1970年代後半以降の作品されていました
ヴェルナーのデザインは具象から抽象へ。
花、雲、風、など様々なモチーフを抽象的に描くようになる。
《アーモンドの木》
《森の木の葉》
《梅の花》
《風の花》
モチーフの構図、色、儚い繊細さ
ちょっと日本画っぽさも感じました
《ヴィジョン》
このコーヒーサービスは本当に抽象的なデザインでした。
マスキングを用いて直線や面を描いたそう。
描いた色を部分的に引っ掻いて落とす新しい技も使われていて
技術や画力、全てにおいて円熟しているはずなのに
まだまだだ!と挑戦し続ける精神に感服です。
エピローグ「受け継がれる意志」
ヴェルナーの晩年の作品が展示されていました。
1集大成とも言える《ドラゴンメロディ》
『ドラゴンメロディー』はヴェルナーによる創作メルヘンです
龍にされた王子様
他の龍と見分ける方法は、音楽
王子様の龍は音楽がわかるのです
妖精たちが楽器で音楽を奏で
王子様を救い出す
デザイン性と絵柄の可愛らしさがうまく融合した作品でした。
最後は映像
マイセンの普段観ることができない製作所の中の様子を紹介していました。
1つ1つ手作業で丁寧に造られている様子
はとても興味深かったです。
こんなに世界的に有名で規模も大きいはずなのに
ちゃんと人の手で創られていることにマイセンの誇りを感じました。
そして、今もなお養成学校があるというのは
マイセンはいかに素晴らしい技術と創造する力を持っていて
憧れられる存在なんでしょう
ずっとそんな存在であり続けていることが
本当に凄いと思いました。
『磁器芸術』
マイセンの作品を表現するにふさわしい言葉だと感じた展覧会でした。
泉屋博古館東京/マイセン展『巨匠ハインツ・ヴェルナーの描いた物語』レビュー チケット、ぐるっとパス、割引
チケットは館内の受付窓口とオンラインで購入することができます。
事前予約は不要で、受付は混雑はしていなかったので
ご都合に合わせての購入で大丈夫だと思いますが
チケット販売の窓口は2つしかないので
スムーズに入場にしたい方は
オンラインで事前にチケットを購入していきましょう、
♦私は「ぐるっとパス」を利用しました。
この泉屋博古館東京近辺には「ぐるっとパス」が使える美術館が
徒歩圏内に2館 もあります!
◉大倉集古館
◉菊池寛実記念 智美術館
お時間がある方はぜひ「ぐるっとパス」を購入して、美術館巡りをしてください。
工芸が好きな方には特にオススメです。
「ぐるっとパス」は泉屋博古館でも購入できるので
お得に美術館巡りをしましょう。
ちなみにですが、、、
「ぐるっとパス」はの価格は1部が 2500円
泉屋博古館の入館料は15000円
大倉集古館の入館料は1000円
菊池寛実記念 智美術館の入館料は1100円
3館の合計で3600円
このエリアだけで元が取れます。
「ぐるっとパス」オススメです!
泉屋博古館東京
〜巨匠ハインツ・ヴェルナーの描いた物語/現代マイセンの磁器物語〜
【入館料】
◉一般1500円
◉学生800円
◉18歳以下無料
※学生・18歳以下の方は証明書をご呈示ください
※20名以上は団体割引料金(一般1,300円、学生700円)
※障がい者手帳等ご呈示の方は無料
※ぐるっとパス2025、泉屋博古館東京年間パスポートも利用可
泉屋博古館東京/マイセン展『巨匠ハインツ・ヴェルナーの描いた物語』レビュー 所要時間、滞在時間、混雑状況について
私は展覧会開催2日目、休日の午後1時ころに行きました。
入館受付は並んでいなかったのですが
会場の中には沢山の人がいました。
しかも、ひっきりなしに入ってきます。
女性がダントツで多かったです。
主に、壁に沿って展示されているのですが
やんわりと1列になっているくらいの混雑状況でした。
細かい絵柄をみていると1時間はあっという間で
最後に映像(2本/20分程度)を観たら90分滞在していました。
所要時間の目安は45分〜60分
解説を読んで、じっくり映像までを全部見ると60分〜90分くらいだと思います。
途中に椅子があるので
休憩しながらゆっくり観ることもできますし
途中で休憩がてら映像を観てもいいと思います。
泉屋博古館東京へのアクセス。行き方や最寄り駅、住所について
「泉屋博古館東京」は駅近な美術館 と言ってもいいと思います。
一番わかりやすい最寄り駅は『六本木1丁目駅』です。
♦私はいつも「六本木1丁目駅」から行きます。
歩くのは好きなので他の駅から歩いても良いのですが
このあたりは坂道が多いので、夏場はあまりオススメしません。
六本木1丁目駅の【 泉ガーデン1F出口 】を出ると
眼の前にエスカレーターがあります。
エスカレーターを3回乗り継いで上がります。
そのまま直進です。
和泉橋を歩いて進むと、庭園のような場所に着きます。
その左手に「泉屋博古館東京」があります。
とちゅうに何箇所も案内があるので
迷うことなく泉屋博古館東京まで行くことができます。
泉屋博古館東京/アクセス
電車
◉東京メトロ南北線 「六本木一丁目」駅 北改札正面 泉ガーデン1F出口 徒歩3分
◉東京メトロ日比谷線 「神谷町」駅 4b出口 徒歩10分
◉東京メトロ銀座線・南北線 「溜池山王」駅 13番出口 徒歩10分泉屋博古館東京
〒 106-0032東京都港区六本木1丁目5番地1号
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
泉屋博古館東京/マイセン展『巨匠ハインツ・ヴェルナーの描いた物語』レビュー まとめ。巡回と展覧会概要
興味があまり持てなかった「マイセン」
このて展覧会を観て、後悔しました。
マイセン、もっと早く観ておけばよかった、、、と。
「マイセンのメルヘン」に引き込まれた展覧会
マイセン好きはもちろんですが
絵本や童話好きな方にもオススメしたい展覧会です。
『巨匠ハインツ・ヴェルナーの描いた物語メルヘン』
―現代マイセンの磁器芸術―
は巡回予定があるので
お近くで開催された際はぜひ足を運んでください。
《 巡回予定 》
■郡山市立美術館(11月22日~2026年1月18日)
■愛知県陶磁美術館 (2026年春~)
■細見美術館(2026年11月21日~2027年1月21日)
特別展 巨匠ハインツ・ヴェルナーの描いた物語メルヘン
―現代マイセンの磁器芸術―
■会期 2025年8 月30日(土)~ 11月3日(月・祝)
■休館日 月曜日(9/15,10/13,11/3は開館)、9月16日・10月14日(火)
■開館時間 午前11時00分~ 午後6時00分
*金曜日は午後7時まで開館
*最終入館は閉館30分前まで泉屋博古館東京
〒 106-0032東京都港区六本木1丁目5番地1号
TEL: 050-5541-8600(ハローダイヤル)
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