大倉集古館『藍と紅のものがたり』 展覧会レビュー。所要時間や見どころについて 

展覧会

『ジャパンブルー』今の私たちに馴染みのあるのは『藍』でしょうね?
『紅』は貴重でだったので憧れの色だったのではないかと思います。
クールな『青』に情熱の『赤』、この2つの色に焦点をあてた展覧会が開催されています。
大倉集古館で開催中の『藍と紅のものがたり』について今日はお話します。
どうぞ最後までご覧ください。

大倉集古館/藍と紅のものがたり特別展レビュー。感想。見どころについて

1階が『紅のものがたり』
2階が『藍のものがたり』
地下に「長板中形」の制作過程の映像

フロアーごと分かれていました
1階、2階、どちらから観てもいいと思いますが

もし「染め」に詳しくないなら
地下「長板中形」の制作過程映像を最初にみるのがオススメです。

 

数ある工程を丁寧に積み重ねて染め上げていく様子が
20分ほどの映像で観ることができます。

大倉集古館に向かう道中は暑いので、
映像を見て涼んでから作品を観ると
身体も楽に、作品の見方も少し変わると思います。

 


1階『紅のものがたり』

紅花染とは
紅花で染めること
『花』を使用するのは自然の草木染の中でもめずらしいです。
紅花の花には黄色赤色2種類の色素があって
黄色は簡単に抽出できるので庶民的でしたが
赤色はわずか1%未満しか取れない貴重な染料だったために
高貴な身分の人しか身につけることが許されませんでした。

 

だからでしょうか?
展示されている振り袖や小袖、反物は
どれもうっとりするくらい素晴らしい

とにかく色が鮮やか
天然の植物染料

こんなにも色鮮やか濃い色に染め上げることができるんだ、、、
とにわかには信じらないくらい美しい赤です。

 

展示されている作品は
江戸時代、今では途絶えてしまった「幻の染色技法」とも言われる
「紅板締め(べにいたじめ)」で染られた貴重な下着から
現代までの美しい紅の着物が展示されています。

 

♦着物にうっとりしながらも、
私が興味を持ったのは使われていた道具です。
『紅板締め用版木』は繊細な細工で
この技術があったらかこそ、素晴らしい模様が染めれる

 

染めというのが、技の結集だということがわかります。

 

他にもガラスケースには
繭や紅餅(染料の原料)、媒染剤として使われた『鳥梅』、などの
資料が展示されていました。

蚕が繭を作る為の個室となる『藁まぶし』は初めて観ました。
成熟した蚕が心地よく繭を作れる用に、をうまく編んで作られていて
興味深かったです。(今は細かに仕切られた箱が使われているのみますね)

 

1階/紅のものがたり最後は『紅花屏風』
大きな2枚の屏風に、
当時の様子が生き生きと描かれいます。

描かれている人はみんな楽しそうです。
展示されている着物のバックボーンを観ているようで

しばらく屏風の前タイムスリップしていました

 

江戸時代、紅花の一大産地として栄えた山形県の最上川流域です。
ここで収穫された紅花は、「紅餅(べにもち)」と呼ばれる染料に加工され、京都で高級染料として取引されました。豊作を祈る春祭り、種蒔き、花摘み、花踏み、花寝かせの作業を経て紅餅ができるまでが描かれ、左隻には、紅餅の出荷の様子と北前船のルートを通って敦賀港(現:福井県)に入る20艘の紅花船、そして最後に京都の紅花問屋の店先で販売されるまでの様子が描かれています。

 


『藍』は今の私達にも馴染みがありますね

日本を象徴する色
海外からも「ジャパンブルー」とも呼ばれている色

 

2階『藍のものがたり』
落ち着いた雰囲気です。青はクールさ神秘的穏やかさ感じさせる色で、
1階の『紅のものがたり』でを観て、
興奮した気持ちを鎮め、落ち着かせてくれるようです

江戸時代から現代までの
着物や浴衣、帯、ワンピースなどの作品が展示されていました。

やはりどれもこれも素晴らしい

 

私が1番良い!と思ったのが
《納戸麻地熨斗目取り紋散し模様被衣》
(被衣(かずき)とは、女性が外出する際に頭からかぶって顔を隠すための着物のこと)
4段に色を染め分けと、模様も違います。

繊細な色の違い大胆な模様ギャップ
面白く素敵な被衣です。

前は「藍色地に白で模様が抜かれたもの」好きで凄いと思っていたのですが
今は「白地に藍色模様のもの」好きになってきて、
白地が多けれがば多いほど、染めるのは大変なのではないかな?と思っています。
なので、展示されていた白地の浴衣惹きつけられました

 

1階にも藍の作品が展示されています。
12枚の染布を等間隔に連続で吊るされたインスタレーション作品《時空 Time Space》
日本を代表する藍染美術家・福本潮子の作品

 

存在感がありました。

 

見上げて観る作品は
少しくらい照明もいい感じで
月夜の富士風景を観ているようでした。

 

大倉集古館/藍と紅のものがたり特別展レビュー。所要時間、滞在時間、混雑状況について

私は休日開館直後に行きました。

入場に待つことはありませんでしたが
館内は思ったより沢山の人がいました。

 

ご年配の女性、2、3人連れが多かったです。
染め展覧会だからか、着物来館割引があるからか

素敵に着物を着ていらっしゃる方が多くて
来館者の着物ウォッチング楽しかったです。

 


私が作品を観るのにかかった時間は約60分
その後に映像を観るのに30分
合計で90分ほど滞在していました。

 

映像「長板中形ー松原伸生のわざ」
手間を掛けて多くの工程を積み重ねて染め上げていく様子が
とてもわかり易く記録された映像です

地下1階のモニターで上映されています
20分程度の映像なので

展示されている作品を見る前に先に映像観てもいいかもしれません

 

手間や工程がわかると
作品の見え方が変わると思います。

 

大倉集古館『藍と紅のものがたり』展覧会レビュー。チケット、割引やぐるっとパスについて

チケットは館内の受付購入することができます。
オンラインでの販売はありません。

『藍と紅のものがたり』展覧会入場料
一般  1500円
大学生・高校生  1000円
中学生以下  無料

 

素敵だなと思う割引があります。
着物を着ていくと入館料が300円引きになります

だからでしょうか?
着物で来館されている方が多かったです。

 

♦私はもちろん
「ぐるっとパス」を利用しました。
大倉集古館は対象の施設で入場が無料です。

このエリアには
『泉屋博古館東京』
『菊池寛実記念  美術館』

があり徒歩で巡ることができます。

『泉屋博古館東京』『菊池寛実記念  美術館』
「ぐるっとパス」の対象施設入場が無料です

 

ぜひ「ぐるっとパス」を使って美術館巡りをしてください。
工芸が好きな方にこのエリアの3館巡りはオススメです。

 

大倉集古館へのアクセス、行き方、最寄り駅、場所、住所

私が大倉集古館へ行くときは、
近くにある『泉屋博古館東京』と『菊池寛実記念  美術館』も
一緒に巡ることが多いです。

 

「六本木1丁目駅」から
→『大倉集古館』、→『菊池寛実記念  美術館』→『泉屋博古館東京』
「六本木1丁目駅」へ戻る

お決まりのルートになっています。

 

大倉集古館がスタートなのは
大抵1番観たい展示をやっているのと、
開館時間が3館の中で1番早く、10時から開館しているからです。

どの最寄り駅からもかかる時間は同じくらい
坂道はありますが、わかりやすく歩きやすいです。

大使館が多いエリアなので、大使館の建物を観ながら歩くのも面白いと思います。

 

《 アクセス 》
電車
◉東京メトロ日比谷線 「神谷町駅」 4b出口より 徒歩8分、
◉東京メトロ南北線  「六本木一丁目駅」 3番出口より 徒歩7分
◉東京メトロ銀座線  「虎ノ門駅」 3番出口より徒歩9分

大倉集古館
住所: 〒105-0001 東京都港区虎ノ門2-10-3
電話:03-3583-0781

 

大倉集古館『藍と紅のものがたり』展覧会レビュー/まとめと展覧会概要

以前から藍染めは好きでしたが
この『藍と紅のものがたり』を観て紅花染めにも興味がでてきました。

草木染めを観るといつも思うのですが

この植物でこの色に染まる
この方法で色鮮やかに染まる

と、見つけた1番最初の人どんな人なんでしょう

 

数ある植物の中から見つけること
染色の工程を見つけること

昔の人は凄い、、、としか表現できないです。

 

今日もまた凄さを見せつけられた
大倉集古館『藍と紅のものがたり』
着物好き海外の方にも観てもらいたいと思ったオススメの展覧会で

大倉集古館『藍と紅のものがたり』
期間 2025年7月29日(火)〜2025年9月23日(火)
開館時間 10:00 〜 17:00
休館日 月曜休館 月曜日が祝日の場合は月曜日開館し翌日休館

コメント

タイトルとURLをコピーしました