ボロボロになればなるほど価値が上がる器って何だと思いますか?
傷がつけば付くほどに美しいと感じるのは日本独自「侘び寂び」も世界ですね。
「根来/ねごろ」という朱漆器はまさに「使い込む美学」が詰まっています。
かつては大寺院などの限られた場所でしか観れなかった貴重な「根来/ねごろ」。
今、東京、六本木のサントリー美術館で観ることができます。
今日はサントリー美術館で開催中の『NEGORO 根来ー赤と黒の漆』展の混雑状況や所要時間、
アクセスなどについて今日はお話します。どうぞ最後までご覧ください。
『根来ー赤と黒の漆/サントリー美術館』の見どころは?
江戸時代以前、赤い朱漆は誰でも使えるものではありませんでした。
宮中(天皇陛下のお住い)格式高い寺社など神社に近い場所でしか使うことが許されませんでした。
そんな特別な朱漆器の中でも別格なのが「根来/ねごろ」です。
中世にとても栄えていた和歌山県の根來寺(ねごろじ)。ここで僧侶たちがここで作り始めたのが根来の始まりだと言われています。
根来/ねごろ」は堅牢な下地を施した木地に何度も黒漆を中塗りして朱漆を上塗りしているところが特徴で、使われてきた歴史が味わいと芸術性を高めています。
ものの美しさから時間を楽しむことができる展覧会です。
見どころ① 制作工程
展示室のはじめの方に制作工程見本の展示があります。
完成するまでに26の工程を積み重ねて行くそうですがここではその中の10の工程の展示で紹介されていました。
全26工程中19工程が下地という途方もなく堅実な作業。
この土台の作業工程がなければ数十年、数百年使うことや使うことでできる亀裂や摩耗の表情はでてこないそうです。
根来塗に使われるのは、主にケヤキやトチなどの質の高い天然木で何年も乾燥させて変形しないものが使われています。
そこに「生漆(きうるし)」に米糊や木粉、地の粉(粘土を焼いて粉にしたもの)などを混ぜたものを何度も塗り重ねます。これが乾燥するとカチカチに固まって、ちょっとやそっとじゃ壊れない強固な土台になります。
そのあとにようやく漆を塗る作業となりますがまず黒い漆を塗り重ね、最後に朱の漆が塗られて完成となります。時間と知恵と技が詰まった根来がただの朱漆器ではないことがこの製作工程を観ても伝わります。
朱漆器ですがメイン朱漆は最後のみ、工程ほとんどが土台のため。
この土台が使い込まれた美しさを生み出します。
見どころ② 形の美しさ
実用的に使われていた道具なのにフォルム(形)がとても美しいです。
根来/ねごろ」は僧侶が使う道具だけではなく、仏さまにお供え物をしたり行事に使うための器でもありました。神聖な場所に使うものとして創られたからこそ、余計なものが削ぎ落とされて『究極なシンプル』さ生まれたのではないでしょうか
ただ使うものとして創られているので、美しさだけではなく注ぐために持った時の持ちやすさや、ものを入れたり置いたりした時の安定感ものとして放つ存在感もあります。
究極にシンプルな美のフォルムと存在感を感じ観ることができます。
展覧会では「瓶子(へいし/お酒を入れる為の器)」がいくつか展示されていました。
微妙にフォルムが違っているので見比べてみるのも面白いと思います。
見どころ③ 時を重ねて生まれる美しさ
壊れたら捨てる、汚れたら買い替える
数100円で器が買える現代からは考えにくいかもしれませんが
「根来/ねごろ」が創られていた当時は壊れないように創る、壊れたら修理する、使い込んでいく
大切に使い続けていく、その使い込まれた跡が味わいや美しさになる
器の角っこや、よく手が触れる部分を見ると赤の中に黒が見えます。
それは何百年も前の誰かが大切に使っていた「歴史の跡」だと思います。
傷がつくほど、使い込むほど、美しく完成に近づいていく
人が歴史が美しさを育てているって凄いことではないでしょうか?
「ここが剥げて黒が見えてるけど、どうやって持っていたのかな?」
「ここの傷はどんな時にできたのだろう?」
なんて想像しながら見てみて観ると味わいの向こうにいにしえの人の姿まで見えてくるようで面白いと思います。
『根来ー赤と黒の漆/サントリー美術館』の混雑状況、混み具合は?
「NEGOROー根来 赤と黒の漆」展は快適に鑑賞することができました。
私が行ったのは展覧会がスタートして3週間ほど過ぎた12月初旬の金曜日、15時頃です。
⦿待ち時間:ゼロ(入場も受付もスムーズでした)
⦿会場内の人数:常に20人くらい(静かすぎず鑑賞するには良い状態でした)
風が強く寒い日だったので待ちを歩く人も少ないかな?と思いきや
さすが六本木、さすがクリスマスシーズン、沢山の人が行き来していました。
「漆」という渋めの展覧会なので閑散としていて独り占めできるかもしれない
と思っていたのですが、そんなことはありませんでした。
サントリー美術館という有名で立地がよく駅直結なのでフラット立ち寄ることができますが
「漆」という工芸の渋めな展覧会なので、今後もそれほど混雑はしないと思います。
現在の混雑度 ★☆☆☆☆
これからの混雑予想 ★☆☆☆☆
『根来ー赤と黒の漆/サントリー美術館』の所要時間、滞在時間は?
「NEGOROー根来 赤と黒の漆」展の所要時間
⦿さらっと派:40分
会場規模が回りやすい大きさで、作品数30点と少なめです。
⦿じっくり派:60分〜90分
作業工程の説明や歴史、背景の説明キャプションが多くを読んで理解を深めようとするので絵画などの展覧会と同じくらいの時間がかかると思います。
「根来/ねごろ」は「漆」のなかでも特殊なのでより詳しく知りたいと思った方には
音声ガイド(700円)がおすすめです。
私も借りてみましたが、約15作品のガイドを聞くことができ、作品の時代背景や制作の工程をより詳しく解説してくれたので、いろいろな角度からみることができ作品鑑賞を堪能しました。
『根来ー赤と黒の漆/サントリー美術館』のチケットは?割引は?
「NEGOROー根来 赤と黒の漆」展のチケットは
オンラインとチケット売場、コンビニエンスストアーで購入することができます。
観覧料
一般 ¥1,800 /大学生 ¥1,200/高校生 ¥1,000/中学生以下無料
※障害者手帳をお持ちの方は、ご本人と介助の方1名様のみ無料
購入方法
現在のところ窓口の混雑はほとんどないため、どちらを選んでもスムーズです。
⦿オンライン:事前に準備してスマートに入場したい方向け(割引は適用外)。
⦿コンビニエンスストアー:「ローソンチケット」、「セブンチケット」。オンラインに抵抗がある方向け(割引きは適用外)
⦿当日チケット売場: 以下の「相互割引」を利用したい方向け。
要チェック!「100円引き」になる相互割引
六本木の美術館を盛り上げようという連携は素敵ですね。
⦿あとろ割
六本木にある美術館「国立新美術館」「森美術館」の展覧会の半券を提示すると100円割引き
⦿21_21 DESIGN SIGHTの企画展入館シールまたは半券を提示すると100円の割引
※注意点
1つの割引しか受けれないこと
あとろ割は森美術館のみ、森アーツセンターのチケットは対象外です。
私は森アーツセンターで観た「エヴァンゲリオン展」のチケットを持っていきました。
「こちら森美術館ではないのでは割引対象外となります」と丁寧にお断りされました。
同じ建物内にあっても「森美術館」と「森アーツセンター」は別なのでご注意ください
『根来ー赤と黒の漆/サントリー美術館』のアクセスは?最寄り駅は?行き方、入口は?
アクセス、最寄り駅
サントリー美術館は六本木駅から直結です。
「ガレリア」という商業施設内を歩き、雨に濡れずに行くことができます。
東京ミッドタウンの敷地にある商業施設「ガレリア」の3階に「サントリー美術館」はあります。
地下鉄をご利用の場合
◉都営地下鉄大江戸線 六本木駅 出口8より直結
◉東京メトロ日比谷線 六本木駅 地下通路にて直結◉東京メトロ千代田線 乃木坂駅 出口3より徒歩約3分
バスをご利用の場合
◉都営バス(渋谷発) 都01「六本木駅前」下車徒歩約2分
◉ちぃばす(赤坂ルート) 「六本木七丁目」、「檜町公園」下車 徒歩約1分
行き方、注意点
「サントリー美術館」は商業施設「ガレリア」の3階にあります。
「ガレリア」は東京ミッドタウンの正面から向かって左奥にあります。
広いですが至るところに案内板があるので迷うことも少ないと思います。
「ガレリア」に入ったらエレベーターやエスカレーターで3階に上がると
1階に比べてスッキリしているのでサントリー美術館を見つけやすいと思います。
朝、サントリー美術館に行く方の注意点
注意する時間帯:朝10時から11時
サントリー美術館の開館時間は10時ですが「ガレリア」の営業時間は11時です。
この1時間の間だけ順路が決まっています。
《地下鉄出口からサントリー美術館への順路》
①地下鉄の出口を出て東京ミッドタウンに向かう
②大きなまんじゅうをひっくり返したような彫刻を右に曲がる。
③直進、ガラス張りの向こうにエスカレーターで地上に上がる。
④すぐ左に曲がって直進「ガレリア」の入口を入る
⑤直進して突き当たり、右に進んでいった先にあるエレベーターに乗る
⑥3階まで上がり、降りた右手にサントリー美術館の入口がある
『根来ー赤と黒の漆/サントリー美術館』の感想と展覧会概要
長い時間を積み重ねて生まれた美しさは凜として重みがありました。
何より使い込まれたものが美しいとそれを創らせる技と
美しいと感じる心が日本特有で素晴らしいと改めて思いました。
かつては大寺院の限られた空間でしか見ることができなかった高貴な「赤」。
その力強さと、使い込まれたからこそ出る美しさをぜひ間近で体感してください。
デザインを勉強している方に特におすすめしたい展覧会です。
NEGORO 根来 — 赤と黒のうるし
■会期 2025年11月22日(土)~2026年1月12日(月・祝)
■開館時間 10:00~18:00(金曜日は10:00~20:00)※いずれも入館は閉館の30分前まで
※1月10日(土)は20時まで開館
■休館日 火曜日、12月30日(火)~1月1日(木・祝) ※1月6日は18時まで開館
■入館料 一般 ¥1,800 /大学生 ¥1,200/高校生 ¥1,000/中学生以下無料サントリー美術館 〒107-8643東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階

コメント