「六本木クロッシング」という展覧会をご存知ですか?
森美術館が3年に一度、日本の現代アートシーンを総覧する定点観測的な展覧会です。
シリーズ展で2004年からスタートし今年で第8回目となります。
絵画や彫刻など鑑賞する作品や映像、プロジェクト型の作品、没入型のインスタレーションなど
多彩な作品が展示されています。森美術館で開催中の「六本木クロッシング展2025」について
今日はお話します。どうぞ最後までご覧ください。
『六本木クロッシング展2025/森美術館』の混雑状況、混み具合は?
六本木クロッシング展2025はそれほど混雑はしていませんでした。
日時指定制を導入していますが当日でもチケットを購入することができました。
私が六本木クロッシング展2025に行ったのは
展覧会がスタートして1週間ほど過ぎた平日の夕方18時30分頃です。
冷たい風が吹く寒い日でしたが、六本木ヒルズではイルミネーションやクリスマスマーケットなど
クリスマスムードで大勢の人で賑わっていましたが、森美術館はそれほどでもありませんでした。
会場全体をグルっと回ってみても50人いるかいないかくらいでした。
ただ私が行った日は19時からキュレーターによるギャラリートークがあった日でした。
ギャラリートークが始まる頃には30人を超える人が会場入口に集まっていたので
この日、この夜の時間に来ていた方の半数以上はギャラリートーク目当てだったと思われます。
大混雑はしなさそうな展覧会ですがやはり土日祝日は多いとキュレーターの方が仰っていました。
テーブルゲー厶のようなマシーンで参加できる作品もあります。
体験してみたい方は来館者が多い土日祝日は避けたほうが比較的待たずに体験できると思います。
平日、遅めの時間が来館者が少ないのでオススメです。
『六本木クロッシング展2025/森美術館』の所要時間、滞在時間は?
「六本木クロッシング展2025」の滞在時間は
平均的な展覧会鑑賞より少し長い90分くらいだと思います。
森美術館は1フロアーですが会場の規模は大きいです。
今回は21組のアーティストが展示紹介されています。
観て鑑賞する作品だけでなく、映像や、プロジェクトや、資料を集めた作品体感する作品も
あるので映像を全部見て、全てを体感するとなると90分くらいかかると思います。
私は2時間30分滞在していました。
理由はたまたまこの展覧会を担当したキュレーターさんによるギャラリートークが
19時からあって飛び込みで参加したからです。
ツアー形式で作品を回りながら作品について説明をしてくれるというものでした。
19時から20時までの1時間作品についての説明だけでなく、
制作や設営の裏話を聞くことができたのでとても良かったです。
1月にもう1度ありますがこの回は英語のみのようです。
日本語を全く使わないのか不明ですが、もし興味があれば参加してみてください。
事前の申し込み不要です。
『六本木クロッシング展2025/森美術館』の見どころは?おすすめは?
六本木クロッシング展2025は
「様々な時間のスケール」「時間を感じる」「ともにある時間」「生命のリズム」
展覧会はこの4つのキーワードで構成されていました。
「時間」をテーマに絵画のような観る作品、インスタレーション、映像、プロジェクト、
様々な表現の作品が展示されていました。
私個人的には、観る、体感する作品が好きなので、
観て欲しい体感して欲しいという作品を見どころとしてご紹介したいと思います。
見どころ①大型インスタレーション
A.A.Murakamiによる大型インスタレーション《水中の月》(2025)
大きい木のようなオブジェから不規則に出てくるシャボン玉。
風に流され弾んだり、水面を滑ってやがては弾けてなくなります。
とても幻想的な光景です。
生まれて動き弾けて消える、時の流れを感じながらも
時間を忘れていつまでも見入ってしまいます。
AIを使って行動を複雑にプログラムされたとても繊細な作品。
キュレーターによる説明では均等に水蒸気が入って、全部が煙玉になるように
プログラムされているそうなのですが、たまに透明なシャボン玉が生まれることもありました。
水面に映るシャボン玉はまるで満月のようです。
直接月を見ないで池の水面に映る満月を見て楽しむ風情ある日本のお月見を
イメージされているとのことでした。
池の水面に揺らめく月は儚げですが、消えてなくなるシャボン玉も儚げで
最後に残像のように残って消える霧(水蒸気)がより一層儚さを感じました。
ちなみにシャボン玉のシャボン液は韓国製で粘着力が強いそうです。
見どころ②最終日に解体される作品
女性2人組のユニット、ズガ・コーサクとクリ・エイトの作品は普段身近に手に入る
段ボールやパッケージなどで作品を創っていてもので本当に図画工作のようです。
六本木駅の出入り口を再現した作品ですが、その再現性が凄いです。
現地で拾ってきたゴミも作品に使われています。
さっきここ通ってきた!と親近感が湧きます。
作品実物は残すために創られてはいなくて
展覧会最終日には解体されて、鑑賞者が作品のパーツを持ち帰ることができるそうです。
見どころ③外の風景をうまく使った作品
森美術館の展示室で外の風景が見れる部屋があります。
毎回、借景のように外の風景をうまく使った作品の展示がされていますが
今回も外の移りゆく景色と作品の変化をうまく合わせた作品が展示されていました。
和田礼治郎《MITTAG》(2025)は、
四角の真鍮フレームを◇に設置されています。支えているのはブドウの木。
挟まれた2枚のガラスのあいだにコニャックが注ぎ込まれた作品で
コニャックを半分注ぎ込まれた水平ラインと窓外の地平線と重なるように設置されています。
注ぎ口の栓が空いていて時間とともに蒸発して水平ラインと地平線にズレがでてきます。
この部屋に入ると僅かですがコニャックの香りがしています。
30本分のコニャックが入っているそうで、少なくなるとコニャックが注ぎ込まれるそうです。
私が行った日はちょうど前日に追加で注ぎ込まれたとのことで
コニャックの水平線と外の地平線が同じラインでした。
ただ夜だったので地平線は少し分かりづらかったです。(夜景はとても綺麗でした)
昼間はとてもわかり易いそうです。
日にちや時間を変えて行くと変化がわかってより面白いかもしれませんね。
見どころ④人生を体験する
木原共の《あなたをプレイするのはなに? ─ありうる人生たちのゲーム》(2025)
昭和に流行ったインベーダーゲームのようなテーブルゲームが作品で
他の人の人生をプレイするというものです。
AIが国勢調査データから生成した架空の人物像を選び、
どのようになりたいか希望を入力してゲームをスタートします。
人生の岐路でキャリア、病気、など人生の選択がどのように連鎖して死に至るか、
他人の人生、ゲームと知りながも結構真剣に向き合ってしまいます。
やり直しが5回出来るのでパラレルワールドを味わっているようで面白いと思いました。
ぜひ体験して欲しいですが、ゲーム機が3台しかないので注意してください。
来館者が少ない平日や遅めの時間をオススメします。
おすすめ/ギャラリートークとイヤフォンガイド
飛び込みで参加したキュレーターによるギャラリートークツアーがとても良かったです。
1月9日19時〜20時に第2回目ギャラリートークツアーが開催されるようですが
「英語のみ」のようです。英語が大丈夫な方はぜひ参加してみてください。
残念ながら英語は分からないという方は「鑑賞ガイド」をオススメします。
AIによるガイドで私はまだ試したことがないのですが、
森美術館のキュレーターさんが一押し!と勧めていました。
例えば時間がなくても滞在時間に見合った作品解説や鑑賞ルートを提案してくれるそうで
AIによるガイドというのがそもそもとても画期的だそうです。
しかも無料で利用することができます。これは使ってみたいですよね。
利用方法は入口のカウンターに表示されている『ARTLAS』のQRコードを読み取るだけです。
スマホがあれば誰でも利用することができます。ただし、音量には気をつけてください。
できればイヤホンを利用してガイドを聞くことをオススメします。
イヤホンをお持ちでない場合は音量に気をつけて耳元で聞くなど周りの方への配慮をお忘れなく。
今までイヤホンガイドは完全スルーしてきましたが話を聞いたら興味が出てきました。
次回イヤホンガイドを聞きながら作品を鑑賞したいと思います。
体験したときにはまたお話ししますね。楽しみにしていてください。
『六本木クロッシング展2025/森美術館』のチケットは?
六本木クロッシング展2025のチケットは
当日美術館のチケット売場、または事前にオンラインで購入することができます。
当日美術館のチケット売り場でも購入することはできますが、
日時指定制なので混雑していると希望の時間に入れないことがあるかもしれません。
あとチケット売り場で買うと200円も高いのです。
事前にオンラインで購入するだけでお得に観ることができます。
現代美術で一般的にとても有名な作家の作品が展示されているわけでもないので
今のところ入場制限がかかるほどの混雑はないと予想しています。
オンラインは直前でも購入することができるので森美術館に着いてからでも大丈夫。
オンラインで購入してみてはいかがでしょうか?
六本木クロッシング展2025入館料
[平日]
当日 一般 2,000円 学生1,400円/中学生以下無料/65歳以上1,700円
オンライン 一般1,800円/学生1,300円/中学生以下無料/65歳以上1,500円[土・日・休日]
当日 一般 2,200円/学生1,500円/中学生以下無料/65歳以上1,900円
オンライン 一般2,000円/学生1,400円/中学生以下無料/65歳以上1,700円
『六本木クロッシング展2025/森美術館』へのアクセスは?行き方、最寄り駅は?
最寄り駅
最寄り駅は東京メトロ日比谷線「六本木駅」です。
コンコースから直結で行くことができるので便利です。
他に都営地下鉄大江戸線の「六本木駅」「麻布十番駅」
東京メトロ 南北線「麻布十番駅」や東京メトロ 千代田線「乃木坂駅」からも
徒歩で行くことができます。
電車/最寄り駅
●東京メトロ 日比谷線「六本木駅」 1C出口 徒歩3分(コンコースにて直結)
●都営地下鉄 大江戸線「六本木駅」 3出口 徒歩6分
●都営地下鉄 大江戸線「麻布十番駅」 7出口 徒歩9分
●東京メトロ 南北線「麻布十番駅」 4出口 徒歩12分
●東京メトロ 千代田線「乃木坂駅」 5出口 徒歩10分
日比谷線「六本木駅」からの行き方
東京メトロ日比谷線「六本木駅」から東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)への行き方は
六本木駅の1C出口の改札を出て、通路(コンコース)を進むと長いエスカレーターがあります。
エスカレーターに乗り、上の階に上がっていくと森タワーの2階に着きます。
エスカレーターを降りてまっすぐ進むとクモのオブジェがありその先に進むと
ガラス張りの建物があります。その建物の中にあるエレベーター、もしくは横にある螺旋状の階段で上がると森タワー3階に着きます。
入口にスタッフの方がいてチケットを持っているかなど確認して誘導でしてくれるので
スタッフの方の指示に従っていきましょう。
『六本木クロッシング展2025/森美術館』の感想と展覧会概要
タイミングよくキュレーターさんのギャラリートークツアーに参加できて
作品の説明や制作秘話などの裏話を聞く事ができて思った以上に楽しめました。
キュレーターさんがオススメしていた「鑑賞ガイド」をぜひ利用してみてください。
現代美術が苦手な方でも少し情報や取っ掛かりがあると
鑑賞のハードルが下がって楽しめると思います。
時間を忘れて様々な時間を体感してください。
「時間」がテーマの展覧会なので、
友人や恋人など大切な人と行って欲しいなと思った展覧会でした。
もちろん1人でじっくり向き合うのもオススメです。
六本木クロッシング2025
■会期 2025年12月3日(水)~ 2026年3月29日(日)
■休館日 会期中無休
■開館時間 10:00~22:00
※火曜日のみ17:00まで
※ただし、12月8日(月)は17:00まで、12月30日(火)は22:00まで
※最終入館は閉館時間の30分前まで
■入館料
[平日]
当日 一般 2,000円 学生1,400円/中学生以下無料/65歳以上1,700円
オンライン 一般1,800円/学生1,300円/中学生以下無料/65歳以上1,500円
[土・日・休日]
当日 一般 2,200円/学生1,500円/中学生以下無料/65歳以上1,900円
オンライン 一般2,000円/学生1,400円/中学生以下無料/65歳以上1,700円
※2025年12月29日(月)~2026年1月2日(金)は、[土・日・休日]料金となります。■会場 森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)

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