1989年から2010年と聞いて印象に残っていることは何ですか?
この頃何歳でどんなことをしていましたか?
私は『バブル崩壊』です。バブル崩壊後に社会人になりました。
経済でも美術でも『失われた』とているこの期間に
クローズアップしているのはなぜだろうと思い、この展覧会に興味を持ちました。
『国立新美術館/時代のプリズム − 日本で生まれた美術表現1989-2010 −』について
今日はお話します。どうぞ最後までご覧ください。
国立新美術館/『時代のプリズム ー日本で生まれた美術表現 1989-2010』レビュー。感想、見どころについて。
私が『1989-2010』で1番ピンとくる出来事といえば
バブル絶頂から崩壊
絶頂はあまり感じませんでしたが、崩壊はとても感じました。
この20年は美術史上も失われた20年と言われていたので
この期間をクローズアップしたことに興味を持ちました。
私はこの期間をあまりポジティブには考えていなかったので
国立新美術館の会見で
『ネガティブには捉えていなくて、むしろ 』
の言葉にそういう見方ができるのかと思い
どういう見方ができるか、楽しみに観に行きました。
プリズム
会場の構成は
【プロローグ】
80年代の国際交流の流れを年表と写真パネルで紹介
ヨーゼフ・ボイスやアンゼルム・キーファーが来日したり、
宮島達男、草間弥生が海外で展覧会をしたり
バブル期絶頂期を感じさせるような、豪華な交流がありました。
【イントロダクション/新たな批評性】
大量生産、大量消費、動物保護、環境問題など現代社会に対して
批判性の強い表現の作品
【レンズ1/過去という亡霊】
戦争や核、過去のこと他人事ではないということを投げかける作品
【レンズ2/自己と他者】
国籍、性別、文化などアイデンティティを問う表現の作品
【レンズ3/コミュニティの持つ未来】
既存の、または新しいコミュニティとの交流、関わりから
生まれる可能性を探るプロジェクトの紹介
『章』とは言わず『レンズ』としているところが
よりクローズアップしてみること、を意識をさせられる言葉だと思いました。
私が気になった作品、
【イントロダクション】では
『ランドセルプロジェクト/村上隆』
コブラ、アザラシ、クジラ、ダチョウ、ワニ、カバ、サメの皮で
創られた『ランドセル』が並んで展示されています。
『ランドセル』というのが恐ろしいと思いました。
『ランドセル』は子どもの象徴のようなものに
大人のエゴを子どもに押し付けているような感じもしました。
動物愛護、希少動物の保護、といった
正義やモラル的なことも思いましたが
でも、どれもカッコよくて
私だったらどれを選ぶかな?なんてことも思いました。
【レンズ1】では
『Agent Orange in Disguise/奈良美智』
奈良美智の描く子どもの『目』は訴えかけてきます。
かわいい子どもなのですが、
どこか影があり、
堪えているような
訴えかけているような、
小さいけど強さを感じます。
観ていると目を逸らすことができなくなるような作品です。
【レンズ2】では
『ボデコン・鳥/森村泰昌』
森村泰昌の様々な変化(ヘンゲ)を観てきましたが
静物画の『鳥』にはびっくりしました。
あまりのインパクトの強さにうろたえてしまいましたが
文化的アイデンティティを考えさせられた作品でした。
『古代美術館/大岩オスカール』
1995年に描かれた作品で巨大遺跡のような美術館に
マグリット、ジャコメッティ、デュシャン、河原温、宮島達男、草間彌生など
その頃に『現代美術』と言われていた作品が描き込まれています。
これも、ここにも、と探すのが面白い。
『現代美術』って未来には『現代美術』ではなくなるのか、気付かされ
現代とは?と考えさせられた作品です。
【レンズ3】では
『へペンチスタのペネイラ・エ・ソンニャドールにタコの作品のリミックスをお願いした/
島袋道浩』
左の画面では
島袋道浩が漁船に乗ってタコを捕まえて、
新幹線に乗って東京荷運び、様々な所を廻り海にタコを放つ映像
右の画面には、
日本語がわからないへペンチスタのミュージシャンに
「タコの映像」を観て即興で歌を歌ってもらう映像が流れています。
言葉がわからないミュージシャンは画像の印象を歌にするのですが
タコしか合っていなくてギャップが面白いです。
映像って情報量が多いのに、
それを言葉にするとこんなにも違うのかと笑いながら思いました
言葉ってなんだろうと思います。
展覧会を観て
レンズごとに様々なことを考えました。
ポジティブにとらえることができました。
そんなには失われていなかった、というより
失われたから、生まれてきたものがあって
それはどこか受け身だった『日本の美術』が
ちゃんと主動した『日本の美術』になったのかなと思いました。
『日本の美術』の良さ、面白さを改めて知った展覧会でした。
国立新美術館『時代のプリズム ー日本で生まれた美術表現 1989-2010』レビュー。所要時間は?滞在時間、混雑状況について。
私は平日の午後に行きました。
会場に入った時はそれほど人はいませんでした。
金曜日だったので
20時まで開館の日だったからか、雨がやんだからか
会場を跡にする夕方頃のほうが人は多かったです。
映像作品がたくさんあったので
映像作品が好きな方は3―5時間くらいかかると思います。
会場が大きく、作品の数多いのですが
50人と出品作家の人数が多いので
好き嫌いの好みもあるかと思います。
平均的な展覧会 45―60分 くらいが所要時間の目安だと思います。
♦私は映像作品を観るのが得意ではないので
少し観て、気になった作品だけを全部見ました
滞在時間は2時間くらいでした。
今回は頑張って観たという感じしています。
『感じる』より『考えた』鑑賞でした。
国立新美術館『時代のプリズム ー日本で生まれた美術表現 1989-2010』レビュー。チケットは?割引、買い方、などについて。
チケット
国立新美術館のチケット売り場、
または公式HP からオンラインチケットすることができます。
観覧料
一般/ 2,000円、大学生/1,000円、高校生/500円
国立新美術館のチケット売場は
会場となっている1階/E展示室の入口にあります。
オンライン割引はありませんが
スムーズに入場できるようにオンラインチケットをオススメします。
♦と言いつつも
私は、当日『国立新美術館』のチケット売場で購入しました。
なぜなら、『森美術館』で観た展覧会チケットの半券を持っていたからです。
半券を提示すると100円割引となります。
たかが100円、されど100円、使える割引はしっかりと使いましょう!
注意点は、
割引は会場のチケット売場で購入した場合のみ受けることができます。
オンラインチケットでは受けることができません。
半券の提示が必要だからです。
他にも割引がありますが、
割引を受ける場合はチケット売り場で購入しないといけません
状況によっては待つこともあると思うので、ご注意ください。
会期中に当館で開催中の他の企画展および公募展のチケット、
またはサントリー美術館、森美術館(あとろ割対象)で開催中の展覧会チケット(半券可)を国立新美術館チケット売場(1E展示室入口)で提示された方は、
本展覧会チケットを100円割引でご購入いただけます。※公募展チケット1枚につき1名様、1回限り有効となります。
※他の割引との併用はできません。
※詳細は各展覧会の窓口でご確認ください。
国立新美術館へのアクセスは?行き方、最寄り駅、場所、住所について
『乃木坂駅』直結の『国立新美術館』
雨に濡れず、暑い日差しにも当たらずに行けるのは嬉しいですね。
青山霊園方面の改札を出ると案内がでています。
案内にしたがって上に上がっていくと。『国立新美術館』です。
入口までガラスの屋根があるので、雨に濡れることもありません。
♦私は『六本木駅』から行くことが多いです。
『六本木駅』7番出口からでると、目の前に横断歩道があります。
横断歩道を渡って右、少し歩くと
『龍土町美術館通り』という車1台分通れるくらいの道が左手にあります。
その道を真っすぐ進んで行き、
突き当り左手の小さな坂を上がると、目の前が『国立新美術館』です。
『六本木駅』出口から5分ほどで着くきます。
『六本木駅』からも近いです。
わざわざ乃木坂駅まで乗り継いでいた方、
『六本木駅』も最寄り駅の選択肢に入れてください。
アクセス
【電車】
◉東京メトロ 千代田線 『乃木坂駅』 青山霊園方面改札6出口(美術館直結)
◉東京メトロ 日比谷線 『六本木駅』 4a 出口 徒歩約5分
◉都営地下鉄 大江戸線 『六本木駅』 7 出口 徒歩約4分国立新美術館 企画展示室1E
〒106-8558東京都港区六本木7-22-2
国立新美術館『時代のプリズム ー日本で生まれた美術表現 1989-2010』レビュー。まとめと展覧会概要
後から後から、噛みしめれば噛みしめるほど
なるほど、そうか、そうだったのか、
と理解が深まってきているように思います。
失われていた、と思っていたからか
観ていて、とても考えた展覧会でした。
1つ1つの作品は面白かったし、
好きな作家の作品も
あったので見応えも満足感もありました。
どう思っていて、
展覧会を持てどう思ったか知りたいので
私と同世代の方に観てほしいと思いました。
国立新美術館『時代のプリズム ー日本で生まれた美術表現 1989-2010』
■会期 2025年9月 3日(水) ~ 2025年12月 8日(月)
■休館日 毎週火曜日 *ただし9月23日(火・祝)は開館、9月24日(水)は休館
■開館時間 10:00~18:00 毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで
■会場 国立新美術館 企画展示室1E 〒106-8558東京都港区六本木7-22-2
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