武具や甲冑を纏った人間のフィギュア、とてもリアルです。
フィギュア好き、武士、甲冑好きにはたまらないと思います。
ご存知ですか???今、箱根 彫刻の森美術館では
物凄くリアルでユニークな鎧をまとったフィギュア作品を観ることができます。
箱根 彫刻の森美術館にて開催中の野口哲哉「鎧を着て見る夢」
について今日はお話します。どうぞ最後までご覧ください。
野口哲哉 展覧会/鎧を着て見る夢 彫刻の森美術館 レビュー(みどころや感想)
●展示は3つのフロアーに分かれていてフロアーの特徴に生かした展示
●リアルでどこかユニークなフィギュア作品
●とくかく描写力が凄い平面作品
展覧会場の「本館ギャラリー」は3つのフロアーがありそれぞれ違った特徴があります。
入口を入ってすぐ階段を降りると展示室1です。
展示室1はガラス張りになっています。
1m程下がっているので外の景色は
公園の芝生から森、山そして大きな空と繋がるとても広大な景色です。
その広大な景色の中を泳いでいるのか、浮かんでいるのか、漂っているのか、
鎧をまとった人物が浮かんでいます。
外と内が境が無いような一体感が生まれていました。
私が面白いと思ったのは、外の公園にも空を泳いでいるの作品があることです。
作品同士がリンクしているようでやられた〜と思いました。
会場内には小部屋があり内部には外の窓ガラスに向かって長方形に窓があけられています。
内側から見ると部屋の窓から庭を眺めるかのようなです。
窓の手前では野口の小作品たちがそれぞれ違うポーズで展示されているのですが
まるで部屋を覗いているかのようでした。
また、この展示室では制作風景を記録したドキュメンタリー映像と
カラスのショウケースにはドローイングやパールなどが展示されていて
作業の様子や設営の様子を鑑賞することができて一層作品への興味が広がります。
奥の階段を上がると展示室2になります。
中2階、ここもガラス張りの光あふれる明るい部屋です。
外の景色は代わり、木が近くまるで森のようです。
段違いの展示台に様々なポーズの作品が並べられています。
階段を上がって見えるのは鎧をまとった人物のシルエット、どことなく物悲しさを感じました。
近くによって観ることができないので
作品と空間、外の景色が作り出す雰囲気を感じたように思います。
また階段を上がると展示室3があります。
ここは閉じられた広い空間です。
広い什器の上に大小様々な作品が並んでいました。
ここで合わせて作品についての見どころをお伝えしましょう。
とにかくリアルです。人物もコスチュームの鎧も細部までリアルです。
どこかにいそうな、どこにでもいそうなおじさんの(特定のモデルはいないそうです)
表情はもの悲しげというかうつろげというか、決して喜びや嬉しそうではないのですが
豊かな表情をしています。
また佇まいも豊かで、ユニークです。重心が左に傾いて立っていたり、座って頬杖をついていたり
どの佇まいも骨格がちゃんとしていて、本物の人のように見えるのが凄いと私は思いました。
本当に人体の中まで理解していないとできないことだと思いました。
(人体の解剖学なども勉強してたそうです)
佇まいと表情がユニークなので微笑んで見ていられます。
全然凛々しくないし、シャンともしていないし、
鎧、甲冑からイメージするような武士が鎧をまとった姿ではなく
農民が鎧をまとった感じ。ぼんやりしてて、シャンとしていなくてここにあらずな感じで
その表情、佇まいが、見たことがあるおじさんっぽい。
哀愁があって脱力感が滑稽に見えて面白いと私は思いました。
どのフロアーの壁にも平面作品が展示されていましたが
どの作品も描写力が凄いのと再現力もすごい。
掛け軸は時代を感じさるところまで再現されていて、本当に描いたのか?と思うくらいでした。
日本画、テンペラ画っぽい作品すべてアクリル絵の具で描いているそうです。
画材を使い分けることなく画法で描き分けるって、本当に凄いと私は思います。
平面作品もユーモアがあって思わずプププと笑いが出てしまいます。
どこをどう観ても凄いと思った野口哲哉「鎧を着て見る夢」
フィギュア好きや鎧、甲冑好きの方は特にオススメしたいですが
どんな人が観ても凄いとか、面白いとか感じると思うので
彫刻の森に行ったすべての人に見て欲しいと思いますし、
すべての人に彫刻の森美術館に行って観て欲しいと私は思います。
―鎧を着て見る夢―
「鎧と人間」という要素を手掛かりに絵画や彫刻を作り、作る以上に色々な事を考えて、頭と手を動かす作業を僕はずっと続けてきました。
子供の頃から鎧兜に強い興味をもってきましたが、それと同時に、現代の、過去の、そして未来の人間に強い関心を持っています。僕は鎧兜と同じくらいに人間や世界の事が大好きなのです。だから、鎧の事を「武将を飾った装束」としてではなく、「人間が肉体を守るために作った過去のプロダクト品」だと考えています。人間はとても柔軟な生き物なので、地球上のあらゆる場所や風土、国や法律に適合することができます。その中で考えもしなかったようなユニークな発明をしたり、時には驚くほど不思議な姿になったりします。それはとてもミステリアスで恐ろしく、僕の好奇心を刺激し続けてきました。プロダクトを着る事で姿が変わってしまった人間の、それでも変わらない本質が硬い殻の中には胎動しています。
人間が誰でも持っている虚しさや孤独、喜びや怒りといったシリアスな姿が、色と形と結びつきながら僕の行き先を照らしています。展覧会では、僕が過去に作った様々な作品を展示しています。作品をご覧になってくれた皆さんが何かを感じ、叶う事なら、ユーモアよりも大切な事が伝われば、僕はとても幸せです。
時間や滞在時間、混雑状況について
私が行ったのは夏休みの平日でした。
午後から行ったからか箱根彫刻の森美術館の入場に待つことはなかったです。
チケットを見せて入場するとすぐエスカレーターがあります。
それに乗って下に降り、トンネルをくぐった先がもう美術館です。
広大な敷地全部が美術館だなんて夢の世界のようです。
「野口哲哉/鎧を着て見る夢」の展覧会場の本館ギャラリーは
トンネルをくぐって出たすぐ右手にあります。
チケットの確認はありません。誰でも何度でも自由に入って観ることが出来ます。
本館ギャラリーは混雑はほとんどしていませんでした。
かと言って人がいないわけでなく、入れ替わりつつ常に10人前後の人がいるといった感じでした。
おそらくなのですが私みたいに展覧会を目的に彫刻の森美術館きたという人は少数で、
彫刻の森美術館来たらやっていたから入ってみたという人が多いようでした。
それでも興味深く熱心にみてたくさん写真を撮っていました。
私の滞在時間は1回目は45分程度、ぐるっと彫刻の森美術館
全体を回って2回目は30分程度、合計で65分でした。
私の滞在時間はいつも長めなので普通だと30分くらいでしょうか
フィギュアが好きな人はもう少しかかると思います。
野口哲哉 展覧会/鎧を着て見る夢 彫刻の森美術館 チケットについて(割引、クーポン、当日券、購入方法など)
チケットはチケット売り場、、またはHPから購入することができます。
箱根の森美術館は丸ごと全部が美術館なので入場ゲートでチケットを見せるだけで
敷地内の作品をすべて観ることができます。
チケット売り場は入場ゲート入口の横にあります。
そこで当日券を購入することができます。
私は当日券をチケット売り場で購入することをあまりおすすめしません。
なぜならチケットを購入する行列ができていることがあるからです。
あともう1つWEBで購入すと割引があるからです。
入館料 通常なら
一般 2000円
大学生・高校生 1600円
中学生・小学生 800円
※未就学児無料
WEBでチケットを購入すると200円引きとなります。
一般 1800円
大学生・高校生 1400円
中学生・小学生 600円
※未就学児無料
200円って小さいようで大きいと思います。
人数が増えればなおさら、使わない手はないでしょう。
WEBチケットは彫刻の森美術館に行ってからその場でもアクセスして購入することができますが
購入するには「アソビュー」に登録しないと購入できないので
できれば事前に登録だけでもしておくと良いかと思います。
どうしてもWEBチケットは抵抗があるという方は
彫刻の森美術館の公式HPの「WEBチケット」「ご利用案内」を開くと
「100円引きの割引クーポン」」のQRコードが有ります。
当日、チケット売り場で提示するだけで割引が受けれます。
ぜひ利用して少しでもお得に行きましょう。
私はいつもWEBでチケットを購入してから行きます。
割引が受けれますし、当日スムーズに入場もできるからです。
初めて彫刻の森に行った時、休日でした。
炎天下チケットを購入する人の行列ができていました。
あわててその場でWEBでチケットを購入して、行列を横目にスーッと入場しました。
以来、彫刻の森美術館に行くときは事前にWEBでチケットを購入してから行くようにしています。
彫刻の森美術館へのアクセス(行き方、交通手段、駐車、場所、住所)
箱根って東京からだとちょっとした小旅行のようでワクワクしますね。
小田原駅からはどうしても時間かかってしますので少しでも時間短縮したい場合は
小田原駅までの時間を短縮するしかありません。
JRだと「新幹線」、小田急線だと「特急ロマンスカー」ですね。
快適で確実に座れて早く移動ができます。
私は小田急線を使うことが多いです。
帰りは疲れているので早く帰りたいと言うときは特急ロマンスカーで、
特急に乗らなくてもそんなに変わらないという時はコトコトと快速急行などに乗ります。
箱根登山鉄道はいたってのんびり、スイッチバックを楽しみ、景色を楽しんでいると
結構あっという間に最寄り駅の「彫刻の森駅」に到着します。
「彫刻の森駅」から2分ほどです。
改札を出て緩い坂道をあがって行けばすぐ、右手に彫刻の森美術館があります。
【 アクセス/交通手段 】
■電車
J R・小田急線 小田原駅 → 箱根湯本駅 → 箱根登山鉄道「彫刻の森」駅下車、徒歩2分■バス
◉小田原駅 東口バスのりば (3番,5番) 「H」「J」「Z」の行く先表示のあるバスに乗車
◉箱根湯本駅 「H」「J」「Z」の行先表示バスに乗車
「二の平入口」バス停下車■駐車料金
一般車 3時間まで500円 (以降1時間毎 500円)
二輪車 1回500円
*美術館に入館されない方はご利用できません。
必ず館内で駐車料金の割引を受けてください。
彫刻の森美術館(THE HAKONE OPEN-AIR MUSEUM)
〒250-0493 神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121
Tel:0460-82-1161 Fax:0460-82-1169
野口哲哉 展覧会/鎧を着て見る夢/彫刻の森美術館 まとめ 注意点 展覧会概要について
野口哲哉「鎧を着て見る夢」の展覧会場の本館ギャラリーは階段だらけです。
階段だらけですが、スロープやエレベーターがありません。
1969年の開館当初の姿のままの建物なので
残念ながら車椅子などの対応にはなっていません。ご注意ください。
フロアーの特性を生かした展示は外の景色までもが作品空間のようで壮大でした。
でも作品1つ1つはとても細密でリアルです。
作品だけでも観れますし、空間としても観れてとても面白い展覧会でした。
フィギュア好き、甲冑や鎧好き好きな方にはもちろんですが
老若男女問わずすべての方にオススメしたい展覧会です。
野口哲哉 鎧を着て見る夢 –ARMOURED DREAMER–
■会期 2025年7月19日(土) ~ 2026年1月12日(月・祝)
■会場 彫刻の森美術館本館ギャラリー
■開館時間 9:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
■休館日 年中無休
彫刻の森美術館(THE HAKONE OPEN-AIR MUSEUM)
〒250-0493 神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121
Tel:0460-82-1161 Fax:0460-82-1169
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