SOMPO美術館レビュー 藤田嗣治/ 7つの情熱 生誕140周年巡回展

展覧会

今年は藤田嗣治生誕140周年となり各地の美術館で藤田嗣治の作品を観ることできます。
現在SOMPO美術館では生誕140周年「藤田嗣治/7つの情熱」が開催されています。
終了間際の駆け込みとなりましたが「藤田嗣治 7つの情熱」新宿/SOMPO美術館に観に行ってきました。「藤田嗣治/7つの情熱」展覧会のレビューとこれからの巡回について、また今年開催される藤田嗣治の展覧会について、今日はお話します。

SOMPO美術館レビュー 「藤田嗣治/7つの情熱」を観て

個人が持っている作品が多かったです。
観たことがない作品が結構見れた展覧会だったと思います。

フジタ研究の第一人者として知られる
シルヴィー・ビュイッソン氏監修のもと
7つのテーマで構成した展覧会

【第1部】
「自画像への情熱」「風景への情熱」「前衛への情熱」「西方と東方への情熱」5階に展示
「女性への情熱」「子供への情熱」「天国と地獄への情熱」4階に展示
【第2部】
 情熱の来し方行く末―藤田を囲む日本の美術家たち 3階に展示

藤田嗣治の作品と言えば、
女性、猫、子供、自画像は良く目にすることがあります。
知らなくても1度は目にしたことがあるのではないかと思います。
藤田嗣治の作品を上記の7つのテーマで構成されていました。
個人的には猫や女性、自画像は幾度となく観たことがあるので
前衛、西方と東方への情熱
(前衛?西方と東方って何だろう?どこだろう?と思いました)
この構成に入っている作品をがどんな作品か、
観たことのない作品だったらいいなと思っていました。

前衛への情熱」は
藤田が渡仏した頃のフランスはキュビズムなどの前衛芸術が全盛期。
到着してすぐピカソのアトリエでピカソのキュビズムの作品や
ルソーの作品に衝撃を受けた。
あまりの衝撃に自分の作品を壊し
すぐに自分の作品に取りいれようと試みようとしたという
キュビズムに影響を受けて描かれた静物画、人物が5点
人物がかかれたクロッキーのような絵が面白いと思いました。
幾何学的に分割して多角的に見たものを
平面に再構成して描くというキュビズム的ではあるけど
幾何学的なのが柔らかいのか、ぐにゃっとしていて
不思議なキュビズムだなーという印象を受けました。
5点、、、もう少し観たかったなと思ったセクションでした。

東方と西方への情熱
ぷっくらとして指が長い手、大仏のような目、耳、まさに大仏、
私には大仏にしな見えなかった、これまた不思議な絵。
浮世絵や日本画の雰囲気があり
随分と模索したんだろうことが見えます。
「NO39.カップル」と「NO43.花瓶の花」が個人的には好きです。

作品を観て思ったことは
水彩、油絵、エッチングなど、どの画材で描いても線が細く、色が淡い、
これが木版なのかと思うくらい線が繊細で色が淡い作品がありました。
いまだにあれが木版なのかと疑っています。
エッチングも水彩画も油絵もパッと観ただけでは違いが判りずらい。
素描は結構線が多い
すべてはないですが線の多い素描がありました。
イラストのようなちょっとした絵も猫や少女、自画像もスッと通った線なので
こんなに何本も線を引くんだ、と意外にも思いました

今回の「藤田嗣治 7つの情熱」は
個人蔵の作品が多かったように思います。
もしかしたら2度と観れない作品が多いかもしれないので
機会があればぜひ観てみてはいかがでしょうか?

SOMPO美術館「藤田嗣治/7つの情熱」混雑状況

終了まで2週間を切った平日のお昼過ぎに行きましたが
チケット売り場も入場も混雑なくスムーズに入ることができました。
ちらっとみたところロッカーも空いていました。
(入ったらすぐにロッカーがあります。他にはないのでここで預けてください)
エレベーターで5階へ。展示は5階→4階→3階と階を降りていく感じです。
そこそこ人はいますがスムーズに観れるくらいなので
思ったより混雑はしていませんでした。
写真撮影ができないからかメモを取っている人が多いように感じました。

SOMPO美術館「藤田嗣治/7つの情熱」展覧会概要

藤田嗣治 7つの情熱」新宿/SOMPO美術館
6月22日(日)
まで(休館日:月曜日)
開館時間10:00 – 18:00(金曜日は20:00まで/入館は閉館の30分前まで
観覧料/大人1800円
※写真撮影不可

新宿/SOMPO美術館
〒160-8338 東京都新宿区西新宿1-26-1
アクセス
JR新宿駅西口から徒歩5分
東京メトロ新宿駅から徒歩5分
東京メトロ西新宿駅C13出口から徒歩6分
西武新宿線西武新宿駅から徒歩7分
大江戸線都庁前駅A1出口から徒歩7分

 

「藤田嗣治/7つの情熱」は巡回します

「藤田嗣治 7つの情熱」は巡回展です。
いつも東京でしか観られない!と
悔しい想いをされている方もいらっしゃるでしょう
お近くの美術館に来たときにはぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか

 

●SOMPO美術館
2025年4日12日 (土) ― 6月22日(日)
●神戸市立小磯記念美術館
2025年6月29日 (日) ― 9月15日(日)
●鹿児島市立美術館
2025年10日3日 (金) ― 11月9日(日)
●ふくやま美術館
2026年1日24日 (土) ― 3月29日(日)

生誕140周年の今年、藤田嗣治の作品が観られる展覧会

生誕140周年の今年は藤田嗣治の作品が観られる展覧会が幾つかあります。
どの展覧会もそれぞれのテーマで藤田嗣治の作品に切り込んでいて
色々な藤田嗣治の作品が観られるまたとない年です。

藤田嗣治 絵画と写真 /東京ステーションギャラリー
2025年7月5日(土) – 8月31日(日)
フジタの芸術を「写真」をキーワードに再考する展覧会。
この展覧会では、画家と写真の関係を
「絵画と写真につくられた画家」
「写真がつくる絵画」
「画家がつくる写真」
3つの視点から紐解きます。
(名古屋市美術館、茨城県近代美術館、札幌芸術の森美術館、に巡回)

 

軽井沢安東美術館開館3周年記念企画
ランス美術館コレクション藤田嗣治からレオナール・フジタへ/軽井沢安東美術館
2025年10月4日(土)から2026年1月4日(日)
藤田嗣治(1886-1968)の作品だけを所蔵する
軽井沢安東美術館の開館3周年を記念して
「ランス美術館コレクション藤田嗣治からレオナール・フジタへ」開催。
この展覧会では、ランス美術館の作品46点を中心に、
藤田が再びパリに渡った1950年からランス平和の聖母礼拝堂の完成に至る
1966年までの歩みをたどります。

 

藤田嗣治×国吉康雄
二人のパラレル・キャリア―百年目の再会/兵庫県立美術館
2025年6月14日(土)―8月17日(日)
20世紀前半の激動の時代、海外で成功と挫折を経験した二人の日本人画家
藤田嗣治(1886-1968)と国吉康雄(1889-1953)の展覧会を開催。
それぞれフランスとアメリカに渡った二人は
その地で画家としての地位を確立しました。
パリとニューヨークで交流したことも知られていますが
太平洋戦争で大きくその立場が隔たることとなった
二人の作品を画期となる時代ごとに展示します。

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